オランダに生息する女子大生のブログ

日本人女子大生が、自由の国オランダに住んで得た知識・考えたことを綴っていきます。

大麻OK? オランダのリアルなソフトドラッグ事情

 

 かの有名な俳優ピエール瀧氏が、コカインを使用したとして逮捕された。

f:id:Sono_midori310:20190327195132j:plain

 

このニュースを機に、ソフトドラックの人体への影響や効力についての話題で、私のTwitterのタイムライン界隈が盛り上がっている。

そこには、アルコールやタバコの人体への影響と比較しつつ、
「ソフトドラッグ意外に大丈夫なんじゃないか(むしろアルコールやタバコの方が危険じゃないのか)」と主張する、ソフトドラック容認派が意外にも多い。

そしてその多くが使うプラスアルファの言説が、「ソフトドラック、特にマリファナは世界中で合法化されいるし、日本でも流通させてみたらいいのに」こんな感じである。

でも、一体そのうちの何人が世界の国々のソフトドラッグ事情について知っているのだろうか。所詮、情報をかじっているにしても、(どうせ)アメリカかカナダのマリファナ事情ぐらいだろう。(えっへんw

 

しかし。

 

もっと大昔からソフトドラッグが流通している国が、ある。

 

それは....

 

オランダ。

 

もはや、ソフトドラッグの聖地といっても過言ではないだろう()。

ということで、今日はオランダのソフトドラック事情について詳しく説明していくことにする。

 

 

複雑怪奇なオランダのソフトドラックに関する法律

上記で、
「ソフトドラッグが合法化されている国=オランダ」ではなく、
「ソフトドラッグが流通している国=オランダ」という表現にしたのには、
理由がある。

何故ならば、厳密に言えば、「オランダではソフトドラックの娯楽での使用は合法ではない」とされているからである。

 

 

....はぁ??

 

 

いや、アムステルダム行ってみ、どれだけCoffeeshop(コーヒー売ってるお店ではなく、マリファナが売られている店)があって、どれだけマリファナの模様のシャツとかキーホルダー売ってると思ってんねん!

 

合法じゃなかったらそんなオープンにできひんやろ!


てか、アムステルダムってマリファナの聖地じゃないん!?????

f:id:sono_midori310:20190327174157j:plain

アムステルダムのお店。マリファナをベースにしたキャンディなど多種多様な製品が売られている。

 

そうツッコミたくなる人もいるだろう。

私も例外ではない。

 

ここで大事なのは、

「合法ではないソフトドラッグをする=罰せられる」

ということではない、ということを理解することである。

 

なかなか周りくどい言い方になってしまったのでもう一度端的に言い換えると、

 

「ソフトドラッグは合法ではないが、やったからといって罰せられない」

 

そのような非常に微妙なニュアンスの法律(いや、国の政策というべきか?)が存在しているのである。

ただ、まぁ罰せられないのなら、ぶっちゃけやるよね???

みたいな感じで、ソフトドラッグが実質OKになってしまっているのである。

 

 

なぜオランダのソフトドラッグに関する法律は曖昧なのか

まず「合法」とはっきり定めなかったのは、ヨーロッパ諸国からの批判があったからと考えられる。

 

時は20世紀後半、ヨーロッパがさらに保守的だった時代である。害悪とされてきたソフトドラッグを、先駆けて完全に容認することはなかなか難しい。

ただ、ソフトドラッグの使用について寛容であることへの利点は理由はいくつかある。だから非常に寛容な政策が取られた。

 

では、その具体的な利点とは?

 

一つ目は、
ソフトドラッグの使用に対して大目に見ることが、ハードドラッグの抑止に繋がる、というもの。「ソフトドラッグをやっちゃったらハードドラッグにも手を出しちゃうんじゃないか」、そういうイメージを持ちがちな私(たち)に取ってはなかなか理解できないが、そういうものらしい。 

確かに、ヨーロッパとトルコにおける国ごとのドラック事情についてわかりやすくまとめられているこちらのWebサイト

http://www.emcdda.europa.eu/countries/drug-reports/2018/netherlands_en

からも、オランダのヘロイン(ハードドラック、人体の影響と依存度が半端ないことで知られているドラッグ)の使用状況は他の国々と比べてもかなり低めだと読み取れる。これは、上記の「抑止としてのソフトドラッグ」政策が功を奏している理由の一つなのではないのだろうか。

 

 

二つ目は、
これはあくまで私の推測に過ぎないが、オランダ政府もソフトドラッグ市場の経済効果を無視できない、というもの。

ソフトドラッグ売買関連の税金も、ソフトドラッグの聖地というブランドに惹かれてやってくる観光客の数も無視できない。
こんな素晴らしい収入源を捨てては勿体無い、そんな政府の思惑があるはずである。

 

f:id:sono_midori310:20190327175554j:plain

ソフトドラッグだけがオランダの魅力ではない。美しい街並みこそが観光客を惹きつける一番の理由だ。

 

 

ちなみに、大麻取締法によると、日本人による海外でのマリファナ使用は、
日本の法律の処罰の対象である。インターネットでの調査に加え、法律系の国家試験を控えている友人にも確認を取ったので間違いではないはずである。

 

 

オランダのリアルなソフトドラッグ事情

さて、長々とオランダのリーガル面でのソフトドラッグ使用について説明してきたが、
そろそろ、実際に「普通の人」もソフトドラッグ(というかマリファナ)を使うのか気になってきた人もいるのではないだろうか。

ということで、ほんの少しだけ、リアルな実情の片鱗をQ&A形式で述べてみたいと思う。

 

Q. オランダで一番人気なソフトドラッグは?
A. マリファナ。人気というか、そもそもほぼマリファナの一本勝ちである。
他のドラッグを使用している人は、あまり聞いたことがない。マジックトリュフはアムステルダムで売られているのを見るが、より観光客向けな気がする。

 

Q. どんな場面でマリファナは吸われるのか、どんな人が吸うのか?
A. いろんな場面で。
外で休憩中や、歩きながら、パーティーなど、いろんな場面で吸われるし、いろんな人が吸っている。そこまで特別なものでもないらしい。あまりにもナチュラルに吸っているのを見て、マリファナがどんな見た目をしているのかオランダに来た当初知らなかった私は、マリファナを吸っている人を見て、ちょっと違う形状のタバコを吸っているのだと勘違いしていた。日常的に吸う人もいれば、たまに吸う人もいる。多種多様である。

また、決して皆が吸っている訳ではない(吸っている人が目立つだけ、よくあること)が、パリピだけのものでもない。日本の最近の若いコたちがタバコを吸うレベルのもの、というべきか。見た限り、オランダ人よりもオランダ人以外のヨーロッパの子たちが吸っている印象が強い。私が見えていないだけかもしれないが。

 

f:id:sono_midori310:20190327180014j:plain

これが、マリファナを吸う、ということである。白い粉を鼻で吸うのではない。

 

Q. マリファナは、どこで買うことができるの?
A. Coffeeshop. マリファナが売買されている店のことをこう呼ぶ。
オランダ以外の国だと、コーヒーを飲む場所すなわちカフェ、の意味なので注意してもらいたい。
そんなCoffeeshop、アムステルダムほどではないが、私が住む街にもいくつかある。ちなみに、決まった曜日にはStudent discountがある店も多いときく。どうやら、学生もターゲティングされているようだ。

 

Q. マリファナについて、どう思うか?
A. 来た頃は、吸っている人を見て怖いという印象を持っていた。独特な甘ったるいような酸っぱいような匂いにも不快感を感じていた。しかし、慣れとは怖いもので、マリファナを吸っている人を見ても何も思わなくなった。自転車で街を疾走している時にマリファナの匂いに気づいても、特別気にならなくなった。今では、個人的にはタバコの方が嫌な匂いだと思っている。

 

 

オランダのソフトドラッグに関する政策と現実を見て、
日本の未来に思うこと

なんだか大層な小見出しになってしまったが、ソフトドラッグが「受け入れられている」社会に生きていく中で、日本がこれからドラッグとどう向き合っていくべきなのか、考えることはなくもない。

 

そして私が導き出したのは、

「日本が娯楽目的のソフトドラッグの使用を合法化あるいは容認するのは、まだ早いのではないか」

 

ということ。
もちろんこの考えを誰かに押し付ける気は毛頭ない。

 

ただ、依存度が少ないとされているマリファナでも、依存する人はゼロではないだろう。禁大麻外来(?)などの医療面での設備はまだ全く整っていないし、それらの設備投資ができるほど、日本政府にはお金があるのだろうか。ソフトドラッグに関する教育は、一体誰が、どのようにして行うのだろうか。性教育、歴史や人道的な問題でさえまともにできていない教育現場が、ソフトドラッグに対してきちんとした教育をできるのか。ソフトドラッグについても、「寝た子を起こすな」理論が使われてしまうのではないのだろうか。

 

f:id:sono_midori310:20190327180926j:plain

寝た子を起こすな理論を掲げるあなたが目覚めるべきだと思うのは私だけなのだろうか

 

ソフトドラッグ容認派は私の周りだけに多く、一般的な主張ではそもそもないのかもしれないが、とりあえずここでは、まだ今の段階では日本はソフトドラッグを使用を容認すべきではないという私の主張を強調しておく。

 

 

長文になってしまったが、今日はここまでにしたいと思う。

 

正直二つ目以降のパートについては、書くかどうか非常に迷った。
オランダが、日本では禁じられているソフトドラッグが簡単に手に入る社会だという話をすることで、「オランダ怖い」「(特に子供に)オランダに行かせたくない」と思って欲しくないからである。
でもせっかくこの折に、オランダに住んでいるからこそ書ける事情を書いてみたい、そんな欲が勝ってしまった。このブログは、そんな私の欲の産物である。

 

最後に、こちらに、参考にしたウェブサイトを貼っておくので参考にどうぞ。

https://www.government.nl/topics/drugs/toleration-policy-regarding-soft-drugs-and-coffee-shops

大麻取締法 - Wikipedia

 

もし何か質問等あれば、ぜひ聞いてください。

 

 

ではでは。

2019年3月27日 10:10am  ハーグのアパートメントから

 

#4 オランダのLGBTQ事情 〜生まれて初めてLGBTQパーティーに行って考えたこと〜

こんにちは、Midoriです。
前回までは、オランダの基本的な情報を知ってもらいたいと思い、政治や経済などについて広く三回に分けて書いて来たのですが、今回はもう少し深掘り、オランダのLGBTQ事情を自分自身の経験を踏まえた上でお話してみたいと思います。

 

オランダでLGBTQパーティーデビュー

ある日、友達に「今度、ストレートフレンドリーのLGBTQパーティーが開催されるらしいから一緒に行こう!」と誘われたので、生まれて初めてLGBTQパーティーに参加して来ました....!!

 

参加前は、「LGBTQパーティーなら、そのコミュニティのための特別なホールで開催されるのでは...? 一体どんな場所なのだろう、ドキドキ..!」していた(私の好きな映画、怒り。でのゲイパーティーのシーンのイメージを持っていた)のですが、

 

実際は、毎週のようにパーティーが行われている毎度おなじみ(2回ぐらいしか行ったことないけどw)ベニューが会場でした。

 

さて、到着すると、まだ早い時間にも関わらず、身体検査のレーンは長蛇の列。

さすがナイトライフがさかんな国オランダ、パーティーはいつでも盛況です。

 

 

f:id:Sono_midori310:20181112061923j:plain

待ち時間に、一緒に来た友人たちの写真をパシャリ。

 

そこで受けた印象、それは...

女子が、多い!!!!

 

 

 クラブと言えば、どちらかと言えば男子の方が多いイメージ。  

ですが、今回のイベントの場合は、「バイセクシュアルには女子の方が多い」というmyth(truth?)によるものか、どうみても女子が多い。  

なんだかとても新鮮な気分。カップルらしき女子同士もちらほら目にしました。

 

 

フロア内をうろうろすること約30分。

ん、どこかでみたことがある後ろ姿....

それは、オリエンテーションウィークの時から仲の良い友人。

 

その友人には、「大学のLGBTQのコミュニティの子たちと来た!この子たちみんなLGBTQやねん!」と彼の友人たちを紹介されました。

 

かなり大人数で来た様子。

 

その中には、キャンプで一緒だった顔見知りもいました。

その顔見知りがLGBTQだとは全く知らなかったので、正直驚きました。

 

一般的には「〇〇な人はゲイ/レズビアンだ」、などとLGBTQはステレオタイプされることは多いです。

 

しかし、今回がそうであったように、実際は「私はLGBTQだ」と言われるまで、その人がそうであると知ることができないことは少なくありません。

 

 

結局私がLGBTQパーティーに滞在したのは2時間半ほどとあまり長くはありませんでした。

ですが、会場の熱気と一体感、参加者の楽しげな様子は他のクラブと変わらなかったし、多くの人がイメージでするであろう「特異さ」「奇異さ」を感じることは全くありませんでした。踊って、歌って、はしゃぐ、そんなクラブの日常がそこにあっただけでした。

 

 

社会に受け入れられるLGBTQ 

オランダが世界で一番LGBTQに優しい国、であることはよく知られています。

もっとも有名な例としては、世界で一番初めに同性婚が成立したことが挙げられるでしょう。

LGBTQへの理解の深さは私が通う大学でも感じることができます。

例えば、前述のLGBTQコミュニティが存在していることに加え、頻繁に開催されるLGBTQ関連のイベントには誰でも参加でき、 LGBTQの生徒専用のカウンセリングもある、など多岐に渡ります。

(LGBTQだからって特別にカウンセリング受けられるってずるくない?という声が聞こえてきそうですが、LGBTQの人々がストレートの人々と比べて様々な理由から精神面でよりサポートが必要なのはよく知られています。その原因に特にきちんとした理解がある人によるカウンセリングは不可欠です。必要な人に必要な機会が与えられているのは当たり前ではないのしょうか) 

 

その中でも私が一番感動したのは、ジェンダーニュートラルのトイレです。 世界のどこかにあるとは知っていましたが、大学で目にすることは予想していませんでした。

 

f:id:Sono_midori310:20181112062452j:plain

 

ちなみにこの写真のトイレは、教室から近いため、私もかなりのヘビーユーザーです。

 

トイレで手を洗っていたら個室から出てきた男子生徒と鏡ごしに目が合うのは、もはや慣れた日常の一コマです。ww

  

 

オランダに来たことで私のLGBTQに対する考え方は変わったか

高校の時に在籍していたイタリアの全寮制のインターナショナルスクールにも数人LGBTQの友達がいたため、私にとってLGBTQは遠い存在ではありませんでした。

ただ、トランスジェンダーの友達が初めてできたのはオランダに来てからだったし、LGBTQに関する話題を特に当事者たちとオープンに語り合えるようになったのも、ここに来てからです。

何より、少数者が受け入れられるということを日々実感できる社会は、本当に生きやすいと感じています。

 

 

ではでは、今日はこの辺で。

11月11日 ハーグのアパートメントから

 

P.S. 最近の私の流行りについて。

本を読み上げてくれる、Amazon audible

がとってもいいです〜!

・本を見なくて良いので、何かしている最中でも聴くだけで本の内容が入ってくる

・スマホアプリもあるので、すごく手軽。

・英語の本も豊富なので、英語のリスニングの勉強になるかも...!?

(私は、ずっと読みたかったサピエンス前史の英語バージョンをダウンロードしました〜!)

1ヶ月無料かつ1冊プレゼントもらえるみたいなので、興味ある人はぜひAmazon audible 試してみてはいかがでしょうか!

 

 

#3 オランダってどんな国? 〜政治・政策編〜

前回の投稿からかなり空いてしまいましたが、今回はオランダの政治・簡単な政策の話をしたいと思います。

オランダの政治
まず、オランダは立憲君主制をとっています。
日本の天皇と同じような立ち位置に国王(国家元首ですが絶対的な権力はありません。一方で、国家元首が女性だということは問題にはなりません。そもそも前の国王とその前の国王は女性で、現在のアレキサンダー国王は、なんと110年ぶりの男性君主だそうです。)がいて、首相が最終的な政治の決定権を担います。
現在は、ルッテ氏が2010年から首相を務めています。
 
写真は、アレキサンダー現国王と母親のベアトリクス元女王。
オランダは、王室と国民の距離が近いことで知られています。

f:id:Sono_midori310:20181002061704j:plain

 
議会は、これもまた日本と同じように両院制で、上院・下院に分かれています。
第一院の総議席は75, 第二院の総議席は150です。
日本で言う「衆議院の優越」のように、オランダでは下院が法案を作成できるので下院の方がより重要と言えば重要です。
 
さてさて、ヨーロッパの政治といえば、やはりイギリスのBrexitやフランスのル・ペン氏(元大統領候補)を筆頭に、「右傾化」の話題が尽きません。
ここオランダでも、2017年の3月の下院選挙の前に、保守党である自由党(PVV) が勢力を伸ばし、もしや第1党を取るのでは?と言う不安が広がっていました。
 
この金髪と白髪が混ざった色のような髪のおじさんが、PVVのウィルダース党首。
日本の雑誌や新聞でもちらほら取り上げられているので見たことがある方もいるかもしれません。
移民敗訴を掲げ、Twitterを始めとした様々な場で過激な発言を繰り返し、「オランダ版トランプ」と言うあだ名がつきました。個人的には、外見が島田紳助と似ているなぁと思っていますが私だけでしょうか。
 

f:id:Sono_midori310:20181002061247j:plain

 
ただ、実際の3月の選挙では、第1党である自由民主党(VVD) が議席31を取り、第1党として政権の中心を担っていくことが決定し、なんとかオランダでは政治の右傾化はギリギリのところで食い止められた、と言えるでしょう。81%と言うこれまでにない高い投票率が示す通り、オランダに住む人たちの右傾化への危機感がはっきりと表れたのではないでしょうか。
 
ただ、議席150のうち31議席では全く半数には足りず、選挙後200日以上を経て、他の3政党と連立政権を樹立しました。(注:オランダは15を超える政党があり、単独で半数を取ることは非常に難しい、とされています)。
 
そんなオランダの政策のうち、今回は高い税率にフォーカスしてお話ししたいと思います!
 
 

オランダの税率

まずは消費税ですが、なんと日本の2倍以上で、19%。

..... 高い!!!
と思いきや、実際生活してみて高いと感じることはありません。
その主な理由は、生活必需品には軽減税率が課せられているからでしょう。
食品や書籍などにかけられている税率は6%です。(レストランでの食事は、贅沢だと見なされるので19%の消費税。しかもオランダの外食は高い割に美味しくないことで有名。)
でもお話しした通り、オランダは農産物の生産量が非常に多いので、特に野菜は日本の半分の値段で買い求めることができます。料理好きの方には非常に魅力的に映ると思います。
 
次に所得税ですが、これが本当に高いです。こちら、所得税一覧(1€=約130円)
 
低所得者に対する所得税はとても低いのですが、日本の平均収入だと言われる400万円あたりから、グンと跳ね上がり、なんと 40% も所得税で取られます。
 
800万円を超えたあたりからは、なんと半分以上を持っていかれてしまいます。
それでも大きな暴動が起きないのは、それらの税金が福祉や教育に使われていることが実感できるからではないのでしょうか。
 
例えば、大学の学費はオランダ人なら年10万円(一昨年くらいまでは20万円でした)、オランダの学生は公共交通機関無料チケットがもらえる、オランダに住んでいるがオランダ語があまりできない人向けに(外国人含む)無料の語学学校がオファーされていたりと、とても細やかに整備されています。医療費も無料です。

オランダは、大金持ちにはなりにくいが、貧乏で酷い生活を強いられることもなさそうです。

このように、税制という点からは、ある意味オランダの「社会主義的な一面」が見えてくるのではないでしょうか。
 
 
ということで、今日はここまでです。
 
 
10月1日 ハーグのアパートメントから

#2 オランダってどんな国? 〜経済・歴史編〜

 
さて、前回の投稿から約1週間、次は何を書こうかなぁと考えていたところ、
「歴史の話が聞きたい!」とリクエストがあったのに加え、大学のレクチャーでオランダの経済について触れられる機会があり、非常に興味深かったので、今回は、オランダの歴史・経済についてご紹介したいと思います!
 
 オランダの歴史

非常に簡潔ですが、オランダの歴史をかいつまんで紹介したいと思います。

1548年 一帯を支配していたスペインからの弾圧が激しくなってきたため反発し、独立するための反乱を開始。

1609年 実質的に独立。

1648年 ウェストファリア条約で国際的に独立が承認される。

1830年 ベルギーと分離。オランダ王国という国号に。

1940年~1945年 ドイツの占領後、解放される。

1949年 オランダ領だったインドネシアの独立承認。

 

f:id:Sono_midori310:20180915223808p:plain

(地図の赤い部分は、オランダの占領下にあった国々を指します。世界中にその勢力を広げていたことが理解できます。)

 

この年表を見る限り、実質オランダという国ができたのはかなり最近(日本の江戸時代初期)だということがわかります。

加えて、長崎の出島で日本と取引していたのは独立後すぐだったという計算になります。

独立後間もないのにも関わらず、遥か遠くの日本でも貿易をするそのバイタリティ、さすが海上貿易で名を馳せていただけありますよね。 

ちなみにですが、貿易で培った商人らしさ、というのは今のオランダ人のメンタリティにも色濃く残っていると個人的には思っています。というのも、オランダでは、個人が自分の持ち物を売る光景が非常に日常的であるからです。
自転車や家具やら文房具やら部屋、新しかろうが古かろうがなんでも売ります。
メルカリのようなウェブサイト(メルカリより手軽な気がする)、部屋や物の取引をするためのFacebookのグループなどがあふれんばかりにあります。
 
 
 

f:id:Sono_midori310:20180915224049p:plain(オランダ版メルカリ、Marktplaats。車でさえ取引されています。笑)

 
実は私も、グループで「中古のテキストを売ってください」と呼びかけたところ、多数の反応があり、
新品の半額以下で買うことができました。
自分が使ったものを何でも売る、これは環境的な配慮もあるかと思いますが、
オランダの環境問題への取り組みはまだまだ掘り下げられそうなので、また別の記事で!
 
 
オランダの経済
各国の経済状況の指標となるGDPとGDPの伸び、そしてGDP per capitaについて、日本とオランダのデータをそれぞれ参照したいと思います。
 
GDP  (Billion $) 
日本:5,167.05  世界3位
オランダ:945.33 世界17位
 
GDP伸び(2017年〜2018年)
日本:1.2%
オランダ:3.2%
 
GDP per capita  ($)
日本:40489 (世界25位)
オランダ:55,185 (世界13位)
 
ここからわかるのは、国全体の総生産量は、 日本がオランダを凌駕しているものの、
経済がより上向きで成長が加速しているのはオランダ、そして
人口1人あたりの生産量はオランダが日本を上回っています。
 
そんなオランダの産業を支えているのは,
IT農業
 
'IT業界で事業展開している企業のうち、フォーブス誌が選んだ上位2000社の中で60%の会社がオランダに拠点を置いている'、とされているほか、世界各地の有名なIT企業が拠点を置いています。
 
 
そして特筆すべきなのは農産物の生産量です。
農業に力を入れた結果、今やオランダの農産物輸出額は、アメリカに続いて世界2位
 
九州ぐらいの国土面積ぐらいしかないのに、なぜそんなに農産物を生産しているのか疑問に思われるかもしれませんが、その秘密は、生産地も施設も集約し、IoTシステムを導入して効率良く農産物を栽培しているという点にあります。
国土面積の45%が平地であるという地の利を生かしつつ、ビニールハウスを導入し、植物にとって最適な環境を維持しつつ、労働者やエネルギー等の管理もIoTシステムを通じて集中的に栽培を行なっているというから驚きです。
 

f:id:Sono_midori310:20180915224814j:plain

 
(オランダの農業関係のデータが書かれたポスターを発見したので、貼っておきます。)
 
食料自給率の低さが何かと問題視されている日本でも、オランダのようにIoTシステムを農業に導入できるように改革を進めれば打開策が見えてくるのでは、という希望的観測を抱くことができるのではないのでしょうか。
 
ということで、ここまで結構長くなってしまったので、今回はここまで。
次回は、オランダの政治・政策についてご紹介したいと思います!
 
9月15日 オランダ・ハーグのアパートメントから
 
 
出典一覧:

#1 オランダってどんな国?〜押さえておきたい基本情報編〜

こんにちは!!!
 
オランダのLeiden Universityに数少ない日本人学部生として在籍しているMidoriです。
 
「オランダの大学?なんでやねん!」とイメージがわきにくい方も多いかと思いますが、実際は住み心地が良く景色も美しい、素晴らしい国です。
そこで、今回はオランダについて全然知らないという人も、
風車?チューリップ?マ、マリ◯◯◯?というイメージを持っている人にも、もっとオランダを知りたい!行ってみたい!と思ってもらえるように、ブログを更新していきますので、よろしくお願いします!
 

 概略

・人口: 1720万人
 
・面積: 41528㎢(九州ほど)
 
・民族: ゲルマン系オランダ人 77%, トルコ系2.3%, その他20%
 
・宗教:   キリスト教(カトリック24%, プロテスタント15%)、無所属50%、その他20%
 
・気候:   6月〜8月はカラッと乾燥していて過ごしやすい。9月〜5月は、全体的にどんよりしていて寒い。
(ちなみに下の地図は、ヨーロッパ全体から見たオランダ。ちっさ!!!)
 

f:id:sono_midori310:20180906234919g:plain

 
とこのような区分になっています。
私の住む政治都市ハーグは、ゲルマン系オランダ人以外の民族の割合が上記より多いと感じています。
まぁこれは、ハーグが国際機関が多いことなどもあり国際都市としても有名であるからなのですが….
ハーグについてはまた追々別の記事で。
 
また面白いことに、記事によってはどの宗教も信じない人が60%を超えている(教会には登録しているものの実際にはその宗教を信じていないため)と書かれているものがあるほど、オランダ人の宗教離れが進んでいます。
 
1900年中頃まではキリスト教信者が95%を超えていたと言われており、かつそもそもオランダはカトリックであるスペインの弾圧を嫌い、独立したプロテスタントの国だったのに、この数字。驚きです。
なぜここまでの変化が生まれたのか….調べたところ理由を見つけることはできなかったので、オランダ人の友人たちに訊いてみたいと思います。
 
そして気候についてですが、基本的にどんより&雨。
朝はスカッと晴れていても、昼からざざぶりなんて当たり前。レインコートが欠かせません。
9月上旬でも、20度を切る日が多くひんやり寒いので、長袖のトレーナーは必需品です。
とはいえど、冬は同じ緯度の他の国ほど寒くはないと言われており、雪が降ることはあまりなく、雨ばかりです。笑
 
もしオランダに観光に来るなら、5月〜8月がベストではないのでしょうか。 
 
 

f:id:sono_midori310:20180906234738j:plain

 
 
 
オランダ人ってどんな感じ? 
「背が高い」
身体的特徴といえば真っ先にこれが浮かびます。
男性は183cm, 女性でも171cm(※日本人男性の平均身長)。
オランダに来ると、自分がまるでクレヨンしんちゃんのように
小さくなったかのような気持ちになってしまいます。
(いやそれは言い過ぎか…) 
 

f:id:sono_midori310:20180906234824j:plain

 
性格的な特徴を挙げれば、個人主義だが寛容で優しく、結構真面目(世界的な部類で言えば。日本人と比べてはいけません!笑)といったところではないでしょうか。
 
個人主義と優しさは一見矛盾しているように考えられるかもしれませんが、ここでいう個人主義は、「他人に興味がない」「冷たい」といったことでは全くなく、「最終的な意思決定は個人各々の判断に委ねられる」という考えが人々に浸透していることを表しているのではないのでしょうか。
 
私個人としては、この個人主義的な考え方は、
世界で一番初めにソフトドラックの使用や同性婚や買春、そして安楽死が合法化された自由な風土の中で培わてきた、個人が自分自身に対して持っている責任感から生まれてきたものだと
思っています。(卵が先か鶏が先かという論争はあると思いますが...)
この辺についても詳しいブログ記事を書きたいと考えているので楽しみにしていてください!!w
 
ということで今日はこの辺で。
ではまた。
 
2018年9月7日 オランダ・ハーグのアパートメントから。